小児医療連載コラム “いざというときにあせらない”こどもの病気とケア
RSウイルスとはrespiratory syncytial ウイルスの頭文字をとった略称です。
RSウイルス感染症というと何か大変な病気のように感じるかもしれませんが、一般的にはただの風邪です。
RSウイルスは感染力がとても強く、2歳までにほとんどのお子さんがかかりますが、乳児期にかかると「細気管支炎」といって喘鳴(ひゅーひゅー、ぜーぜー)を伴う呼吸困難の症状を呈することがあり、重症化すると入院加療が必要になります。
細気管支炎を疑ったときにRSウイルスに罹患しているかどうかは重要な情報であり、そのために外来で簡易検査(鼻咽腔から粘液を採取し、10分ぐらいで結果がでるもの)ができるようになりました。
しかし、どういうわけだか細気管支炎を疑わないお子さんにも検査をするクリニックがあり、「RSウイルスが出たっていわれたんですけど、大丈夫なんですか?」と心配して当院を受診される方もいます。(その場合、喘鳴などの症状がなければ「ただの風邪ですよ」と説明しています。)
そういうクリニックがあるからなのか、保育園でも「RSウイルスが流行しています」とアナウンスしているところがあり、大変困惑しています。
RSウイルスは風邪の原因ウイルスなので、「RSウイルスが流行している」というと「風邪が流行している」と同じ意味になってしまい、あまりアナウンスする意味がありません。
また、検査は細気管支炎を疑う乳児に行うものであり、そのため1歳を超えると保険診療では検査ができず、どうしても希望される場合には自費となります。
RS ウイルスの検査は、来院した乳児がひゅーひゅー、ぜーぜーして具合が悪かった場合に、「これは細気管支炎かもしれない」と医師が疑って、その時点で初めて「検査をしましょう」となるものであり、やみくもに検査をするものではないのです。
また、ウイルス感染症なので、分かったところでお薬がないため、細気管支炎を疑わないお子さんに検査をするメリットはないと思います。
RSウイルスには「シナジス」という予防接種があります。これは早産児や心臓病、慢性肺疾患、免疫不全症、ダウン症のお子さんに保険適応があり、RSウイルスの流行期に接種をしているのですが、それ以外のお子さんに関しては、一般的には接種をしません。(当院ではシナジスは扱っておりません。)
RSウイルスは毎年冬から春に流行します。免疫はつかないので、何度もかかる場合があります。RSウイルスが流行する時期に1歳前のお子さんがぜーぜーし始めたら、1日様子を見ると具合が悪くなることがあるので、早めにクリニックを受診してください。
医療法人社団育心会
やまだこどもクリニック
院長 山田慎一
https://www.yamadakodomo-clinic.com/
※2020年10月30日掲載
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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