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小児医療連載コラム “いざというときにあせらない”こどもの病気とケア

小児連載コラム『いざというときにあせらない こどもの病気とケア』

第8回 「気になるこどもの最新アレルギー事情2020 ~食物アレルギーについて~」

 

食物アレルギーは以前に比べてかなり頻度が高い疾患となりました。

 


現在では乳児の6-10%、3歳児の2-5%、6歳以上では1-2%が何らかの食物アレルギーを持っていると言われています。

原因食物は卵、小麦、牛乳で全体の6割、それ以外でも甲殻類(エビ、カニ)、フルーツ、そば、魚、ピーナッツ、魚卵、大豆など様々な食品でアレルギー症状が出るお子さんがいます。

 


食物アレルギーの主な症状は、食べて30分以内の蕁麻疹です。

 


食物アレルギーがある場合、その食品を食べると必ず蕁麻疹がでますが、食物アレルギーは食べた量に依存しますので、「少量なら大丈夫だけど、たくさん食べたら蕁麻疹が出る」という場合もあります。

また、稀ですが蕁麻疹ではなく、下痢や血便といった症状が出る場合もあります。

 

それでは、離乳食を始める際に食物アレルギーの頻度の高い食品は避けた方がよいのでしょうか?

 

 

いいえ、そんなことはありません。

 


重症のアトピー性皮膚炎の場合を除き、避ける必要はありません。

(重症のアトピー性皮膚炎の場合は、アレルギーのリスクが高い食品は基本的には除去となります。)

 


心配だからと離乳食を始める前に血液検査を希望される場合がありますが、前回のコラムで説明したようにアレルギーがあるかないか(蕁麻疹が出るのか出ないのか)は血液検査ではわからないので、お勧めできません。

 


一番やってはいけないのが、例えば卵を食べる前に卵アレルギーの血液検査をしてしまい、クラス1や2と低い数値がでているのをみて「卵アレルギーですね」と誤診されて卵を除去してしまうことです。

 


クラス6でも食べて大丈夫なお子さんはいますので、どんな食品でもまずは食べさせてみましょう

 


卵、小麦、乳製品を初めて食べさせる時は、何かあったらすぐにかかりつけ医に相談できるように平日日中に少量ずつからはじめましょう

離乳食を遅らせることは食物アレルギーの予防にはなりませんので、通常の時期にはじめてください。

 


 最近は経口免疫療法といって、アレルギーがある食品を毎日少しずつ食べ続けると早くアレルギーを克服できる可能性があることがわかってきましたが、毎日食べさせなければいけないことや安全性の問題があるため、かかりつけ医と相談して行ってください。

 


医療法人社団育心会
やまだこどもクリニック 
院長 山田慎一

https://www.yamadakodomo-clinic.com/

 

※2020年5月22日掲載

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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