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小児医療連載コラム “いざというときにあせらない”こどもの病気とケア

第14回 「目が赤い?アデノウイルスかも、と思ったら。」

「はやり目」と呼ばれる目が赤くなる病気は流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎の3つです。

 


しかし、急性出血性結膜炎の患者さんはほとんどいないので、基本的には前者2つが「はやり目」であり、いずれもアデノウイルスが原因です。

 

流行性角結膜炎はアデノウイルス8型、19型、37型によって発症するウイルス性結膜炎です。

 

一方、咽頭結膜熱はアデノウイルス3型、4型、7型によって発症する全身の感染症であり、結膜炎だけではなく、高熱や咽頭炎も生じます。

 

小児科でよくみるアデノウイルス感染症は咽頭結膜熱ですね。

 

眼科医は診察しただけではやり目かどうか診断できるようですが、僕はただの結膜炎なのか、はやり目なのかを診察しただけでは鑑別はできないので、当院では簡易キット(眼瞼結膜にろ紙を当てて検査します)を用いて診断します。

 

治療ですが、はやり目に効果がある点眼薬はないため、通常は何もせずに経過観察します。

 

必要に応じて、細菌感染を予防するために抗生剤入りの点眼薬を使うこともあります。

はやり目で最も気になるところは、「いつから登園してよいのか?」でしょう。

 


流行性角結膜炎は「医師が感染の恐れがないと認めるまで出席停止」です。

一般的には充血が消えて目やにがなくなったら登園、登校してもよいと判断します。

 


咽頭結膜熱は「主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止」です。

主要症状は通常は発熱ですので、熱が下がって2日経過したら登園、登校できます。

 


いずれの場合も出席停止期間は7‐10日程度になるかと思います。

 

 


はやり目は感染力が強いので、自宅ではタオルなど顔に触れるものは家族と別のものを使うようにしましょう。

 


それから、目やにがついたティッシュペーパーは専用のビニール袋にいれて、他の人が触らないようにしましょう。

 


医療法人社団育心会
やまだこどもクリニック 
院長 山田慎一

https://www.yamadakodomo-clinic.com/

 

※2020年7月3日掲載

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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