『かずさん』~かずさを照らすきらめき人~
新しいもの・おもしろいことを取り入れ、挑戦し続けるタクシー会社
かずさを愛し、かずさで活動する人に
ご自身のお仕事や活動、かずさの魅力などをゆっくりとお話していく“人と繋がる連載”です。
かずさで輝き、煌めく人たちのことを親しみを込め、私たち「まいぷれかずさ」は、こう呼んでいます。
「かずさん」
第2回目の「かずさん」は
【小柴直人さん(富津公園タクシー)】です。
「主に『富津公園タクシー』という会社の経営ですね。
経営と言っても幅が広く、こういったインタビューなどの広報活動もあれば、事務など労務管理、運営、配車依頼の電話対応、あとは台数が足りないときやご指名をいただいた時にはドライバーをすることもあります」
編集部:え…!?それって全部じゃないですか!!汗
「そうですね(笑)
他の企業では経営者の方がしない業務もあるのかもしれないんですけど、まずは、自分自身がやってみて、その仕事を理解してから、従業員さんにも伝えていきたいっていうのが根底にあるんですよね。
あとドライバーに関しては、一番重要なお仕事でもあるので、現場に出てお客様の生の声を聞ける機会は、できれば無くしたくないんですよ。」
「富津公園タクシーは家業なんですが、社会というものを何も知らずに家業に入るというのは怖さがあり、ちゃんと社会を知ってから、タクシー業を継いだ方が自分にとっても会社にとってもプラス効果があると考え、就職を決めたんです。」
「思い浮かんだのは二人いまして、ひとりは【高校時代の恩師】
もうひとりは、【最初に就職した会社の社長】です。
高校のとき、進学クラスに入っていたんですが、高校3年の進路相談で『進学はせずにオーストラリアの親戚のところに行こうと考えている』と漠然としたイメージを伝えたんです。
すると、『進学クラスに入りたくて頑張ったのに、それが叶わなかった人もいるんだよ。その人たちの分も進学クラスにいることの意味を考えて、先を見据えてから決めてみたらどうかな?』という言葉をもらいました。
この言葉が『これから先のことを考えていく』というきっかけになりました。
もうひとりの恩人である【最初に就職した会社の社長】は社会人としての全てを教えていただいたもうひとりの父親のような存在です。
実際、数百人いる全社員の中で私だけ苗字ではなく、下の名前で呼ばれていました(笑)
何より『自分の成長』と『会社の成長』の両方を実感できたと今思い出します。
他にも当時の上司や、声を掛け合い、ともに乗り越えてきた同期の仲間など、自分の人生は、人との出会いに彩られているような気がします。なので出会いの1つ1つが財産になってますね。」
その後、小柴さんは学習塾にて社長の運転手、講師、教室長、販促、アルバイトなどの募集セクションのマネージャー、コールセンター長を任されるなど着実にステップアップを重ねていき、大手フィットネス会社のコールセンター長に転職。
前職と合わせ、15年ほどサラリーマンを経験し、家業の富津公園タクシーを継いだ。
「何もないところで自分がどれだけやれるのか、挑戦できるのかを知るのって結構好きなんです。
今までのお仕事で培ったコミュニケーション力などの経験がタクシーの仕事にも役に立ってるんですよ。」
こうしてお話をして感じるのが、小柴さんはとてもフットワークが軽く、視野の広い方だという印象を受けます!
「タクシーを待っていてくれた人が乗車したときですね。
何度も乗車してくれているお客さんはもちろんですが、数あるタクシー会社の中から初めて富津公園タクシーを選んで、乗車してくれたお客さんに会えたときも嬉しいです。」
「大切にしている言葉でいうと『ありがとう』です。
やるからには感謝をしてもらえる仕事を心がけたいです。
『ありがとう』を口に出す数が多ければ多いほど、働く側にとってもお客様にとってもお互いが嬉しいことなので、『ありがとう』を増やしていきたいですね。この一言のために頑張れているところがあります。」
「タクシーって絶対に決まったルートというものはないので、道順や目的地など、お客様の希望をできる限り叶えることができるのがタクシードライバーなんです。これは魅力的だと思います。
働く側としての魅力・こだわりは、社内が居心地よく働ける環境づくりを心がけています。
そのために積極的に新しいものを取り入れたいと思っていて、例えば、クレジットなど現金以外の決済や配車依頼のデジタル化、アプリでの配車を導入したり、できる限り今の時代に合ったものを取り入れています。
それはお客様にとっても便利なんですが、運転手が困らないようにするという目的でもあります。
デジタル化することによってナビ機能がついているので、運転手の仕事が少し楽になるんですよ。
気持ちよく仕事をしてもらえるように設備投資をすることは大切にしています。」
「“タクシー”っぽくないことにもどんどん挑戦していきたいです。
どうしても"タクシー”っていうとイメージが先行してしまっていると思うんですよ。
『ドライバーは高齢の男性が運転手をやるもんだ』、『単純に目的地までの送迎をするものだ』ってところだけがフォーカスされてしまいがちなんですが、そんなことないよ!っていうことを伝えるためにインスタなどのSNS投稿や富津公園タクシーのグッズ、オリジナルのガチャガチャの販売をしたり、金谷小おらが市など地域のイベントに参加したり…あと富津の花火大会の実行委員に参加してるんですが、車体に花火の広告のマグネットを貼ったり、富津公園で開催されたティラノサウルスレースにも参加しました(笑)」
オリジナル缶バッジ
LINEスタンプも販売中
花火大会の広告マグネット
「できるだけ面白そうなことには挑戦していきたいな、と思っています。
他にも富津市役所前の芝生広場で『ヨガイベント』を開催したりと社会貢献活動もさせていただきました。
新しいことをすることで、人との繋がりが新しく生まれて、街も明るくなっていくと思うんです。」
この取材当日もショッピングモールの関係者やお話を伺っていたカフェのスタッフの方とも親しく会話をしていた小柴さん。本当に繋がりが広い方です!
ティラノサウルスレースに参加
ヨガイベントの様子
「富津市全域で富津公園タクシーを見かけるようにしたいですね!
タクシーって移動手段の1つでしかないと思うんですけど、SNS投稿やイベント出店などを重ねていくことで数あるタクシー会社の中から『富津公園タクシーに乗ってみたい!』と思っていただけるようになりたいです。
そのために面白そうな企画も実現していきたいと思っています。」
編集室:確かに、タクシーに乗ること自体が目的になったら面白いですね。
あと富津の魅力を増やすお手伝いがしたいなと思います。
今のタクシーって人を観光地や施設などへ移動する手段でしかなくて、富津市の人口は毎年減っていて、そうすると単純に乗るお客さんも減ってしまってるんですね。目的地がないと成立しないわけですよ。
なので美味しい店だったり、観光地だったり、もっと言えば定住者ですね。
街が魅力的になれば「ここに住みたい」って思う人にも繋がっていきます。
なので、富津が輝いていくことへのお手伝いをすることが、公共交通機関としての使命だと思っています。」
「そばに海があるっていうことですね。
あと立地でいえば、海や山などの自然も近くにあり、東京や横浜など、皆さんが憧れる場所にも出やすいんです。
午前中に「都心に行きたい」と思えば、その日の午後には叶えられちゃうんですよ。
【都会】と【自然】
皆さんの欲しがるものがちょっと時間はかかるけど、どちらもほぼ手に入る好立地な場所なんです。
ポジティブに考えると、頑張れば何でもあるんです。
そんな美味しいとこ取りな場所ですね!
「うちは会社の駐車場に桜があるので、普段あんまりお花見って行かないですよね(笑)」
富津公園の入口になる通りに事務所があるので去年からライトアップもさせていただいてます。
あと歩きながらになっちゃうんですけど、富津から君津にかけての小糸川の遊歩道が桜並木になっていて、ウォーキングで通るときに気分もいいですよ。」
富津公園タクシー駐車場に咲く桜
「富津岬ですね。
おみやげ屋さんとか近くにないので、目的地というよりは、どちらかというと立ち寄る場所ってイメージですが、ツーリングやドライブの途中で立ち寄る人たちも多いですよ。
東京湾を一望できる景色が良いです。
対岸の東京で忙しなく働いていた頃は、休日に富津岬から東京を眺めていると、リラックスできましたね。
昨日まであっち側に居たんだなぁ、って客観的に物事を見られました。
東京や神奈川の対岸で暮らす人達に来てもらって、自分のいた場所をゆっくりと眺めて、見つめ直すっていうのも今の時代に合っていて良いと思います。」
※という訳で、本日は富津岬で撮影をしました!
「富津市鶴岡のラーメン屋『木琴堂』さんは、古民家を店舗にしており、行くまでの道も風情があるのでSNS映えすると思います!
富津市富津の「お食事処さざなみ」さんも天気が良いと向かいの漁港から富士山や横浜みなとみらいエリアが望めますよ。気さくなばあちゃんもいます(笑)
あとは近くだと富津青木にある正凛亭さんの『あんかけ焼きそば』が量もあり味も濃くて、ガッツリ食べられるので昔から好きです。
オシャレな喫茶店だと『カフェ ラッテ』さんのランチ、『グランフォッセ』さんは街の憩いの場って感じです!
最後に富津市富津のソウルフード『大定(だいさだ)』さんの『カレーそば(カレー南蛮そば)』ですね。
たぶん出前で頼んでいた家庭も多いと思います。
でもなんで『うどん』ではなく、『そば』なんでしょう?知ってる人がいたら教えてください(笑)」
地域イベントで子ども達がタクシーの車体にシールでデコレーション
世界で1つしかないデコレーション・タクシー
富津公園タクシーが参加した地域のイベントでは、子ども達がタクシーの車体にシールでデコレーションをする企画を実施。
世界で1つしかないデコレーション・タクシーが誕生しました。
子どもたちの思い出にもなり、それをSNSなどで発信することで、今後『あのタクシーに乗ってみたい』と思う人が増えていくはずです。
そうすれば、富津の魅力を増やすきっかけに繋がっていきます。
富津を輝かせていくために今日も小柴さんは、“タクシー会社っぽくない”新たな魅力を開拓し続けています。
富津に訪れた際は、富津公園タクシーに乗って、富津の街を観光してみてはいかがでしょうか?
『富津公園タクシーに乗りたくて富津に遊びに来ました!』
そんな人が乗車する日もそう遠くはないでしょう。
小柴直人さん【富津公園タクシー(富津)】vol.2
新しいもの・おもしろいことを取り入れ、挑戦し続けるタクシー会社
かずさを照らすきらめき人「かずさん」
平間一臣さん【ヒラマ畳工業(富津)】vol.1
「畳のある暮らし」の良さを伝承したい。畳を愛する平間一臣さん