小児医療連載コラム “いざというときにあせらない”こどもの病気とケア
第10回 「夏風邪の代表 “手足口病”」
夏になると手足に水疱や湿疹がでる風邪が多くなってきます。
夏風邪の代表、手足口病です。
典型的な場合は手のひら、足の裏、のどに水疱や湿疹ができますが、それ以外でも上肢、下肢、臀部など様々なところにできます。
熱は出ることもありますが、全く出ないこともあります。
稀ですが、無菌性髄膜炎などを合併することもあるので注意が必要です。
潜伏期間(もらってから発症するまで)は2-7日です。
手足口病の原因となるウイルスは複数あり、何度もかかることがあります。
夏風邪というくらいですから、手足口病を治す薬はありません。
水疱や発疹は1週間程度でなくなります。
のどの水疱が痛くて食事ができない場合は、痛み止めを使いながら経過観察します。
元気で食欲があれば登園、登校してもよい病気です。
ただ、手足口病は感染力が強く、発症してから1ヵ月ぐらいは人にうつす可能性があります。
その間は登園すると他人にうつしてしまいますが、だからといって1ヵ月登園しないというのはおかしいので、登園してよいのです。
そのため、毎年必ず保育園や幼稚園で流行しています。
当院では「手のひらや足の裏に水疱ができて他人にもわかりやすい病気だから、水疱が消えるまでは登園させないのがマナーですね」と説明しています。
集団生活をしているのであれば手足口病はもらってしまっても、他人にうつしてしまっても仕方のない病気です。
上手につきあっていきましょう。
医療法人社団育心会
やまだこどもクリニック
院長 山田慎一
https://www.yamadakodomo-clinic.com/
※2020年6月5日掲載
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。